自動運転タクシーWaymo Oneの乗り方・使い方
【その4:Uberと比較してみた編/気になる運賃・使い勝手は?】
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最終回の【その4】では、「自動運転のWaymo」 vs 「人間が運転してくれるUber」の比較をしてみたいと思います。
※前号までの【その1:基本操作編】【その2:運転のクセ・特徴編】【その3:トラブル対応編】はクリックでご覧いただけます。
ちなみに、両社はライバル関係ではなく、パートナーシップを結んでいます。
◆今後、Waymo Oneの展開が予定されているテキサス州オースティン、ジョージア州アトランタでは、UberのアプリからWaymoの配車予約が可能になる見込みです(2025年初頭を予定)※1。配車だけでなく、清掃や整備を含む車両管理もUberが担うとされています。
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◆ライドシェアの配車アプリとして移動革命を起こしたUberですが、人間の運転する車に加え、自動運転のロボットタクシーの登録を増やしていく予定です。タクシーとライドシェア、どちらも「好きな時に、好きなところまで連れて行ってもらえるオンデマンドの移動サービス」と捉えれば同じニーズを満たすサービスです。
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◆Waymoのほか、米国ではGM CruiseのロボットタクシーもUberのアプリで配車できるようになる見込みです※2。*追記アリ
*2024年12月10日、GMからCruiseの事業閉鎖が公表されました⇒ 詳細はこちら
また、Uberが出資している英国発の自動運転ソフトウェアのスタートアップWayveを採用したロボットタクシーについても、将来的にはグローバル市場でUberのアプリから手配可能になる見込みとされています※3。
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◆Waymo側から見てもUberとの提携にはメリットがあります。
現状、Waymo Oneアプリを自分のスマートフォンにインストールしている人は、Waymoに関心がある人・自動運転に関心がある人が中心でしょう。ロボットタクシーの黎明期の今、今後の事業拡大や収益性向上に向け、幅広いユーザーを獲得していくためには、既に消費者に浸透しているUberというアプリ・プラットフォームが必要だったと考えられます。
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それでは、気になる運賃とユーザビリティの違いを見ていきましょう。
1.運賃の差
WaymoもUberも、どちらも独自のアルゴリズムでダイナミックプライシングを導入しています。
その時々の需給バランスで運賃は変動するため、一概にどちらが高いとは断言できませんが、筆者の手元では以下のような結果となりました※4。
フェニックスでは、Waymoのほうが割安な運賃が提示されました。「ドライバーの給与が不要になるのだから、自動運転タクシーのほうが安くて当然なのでは?」と期待される方もいらっしゃるかもしれませんが、サンフランシスコでは、Waymoのほうが高い運賃が提示されるケースが多かったようです。
【① アリゾナ州フェニックスおよび周辺都市エリア 】・・・Waymoのほうが安い結果に
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【② カリフォルニア州サンフランシスコ】・・・Waymoのほうが、Uberの大型車と比べても高い結果に
【③ チップの有無】
◆Waymoにはドライバーがいないため、チップの加算はありません。
◆Uberの場合は、運賃に対してチップを加算することがアプリ上で奨励されていますので、
実際には、運賃に10~20%程度上乗せした金額を支払う方が多いと思われます。
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2.ユーザビリティの違い
お値段だけでなく、サービスのラインナップの違い、ユーザビリティの違いも踏まえて、どちらを利用するかを検討すべきでしょう。
あくまでも個人的見解ですが、筆者ならば、荷物の量や利用する人数、乗車時間でWaymoとUberを使い分けると思います。身軽ならばWaymo、大きな荷物を持っている時や4人以上で利用するならばUberで大きめの車を呼ぶと思います。
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【違い①/車種のラインナップ】
Uberの画面からお分かりのように、WaymoとUberでは車両の選択肢の幅が異なります。
◆Waymo/現状は、ジャガーのEV「I-PACE」の改造車のみです。
今後、中国のZeekrと共同開発した中型の新型車両の投入や、現代自動車からベース車両の提供が行われる可能性がありますが、
現状はI-PACEの助手席1名、後部座席2~3名の最大4名乗りです。
◆Uber/コンフォートからXLなど車両サイズのラインナップが選べ、それによって値段も異なります。
荷物の量や乗車人数に応じて、柔軟な選択肢があるのはUberです。
【違い②/ドライバーによるサポートの有無】
◆Waymoは、レベル4の自動運転なので、荷物の運搬などをサポートしてくれる人はいません。
◆Uberでは、ドライバー個人への評価制度もあり、チップを受け取ることもできるため、より良いサービスを提供しようというインセンティブがドライバーに働きます。
乗客が大きなスーツケースなどを持っていると、トランクに積み込むのを手伝いに出て来てくれるドライバーが多くいます。今回の渡米時には、車内でペットボトルの水やスナックなどをサービスしてくれるドライバーもいました。
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【違い③/車室内のカスタマイズ】
◆Waymoでは、空調の温度や流れている音楽のテイストの変更が可能です。
音楽はスマホ接続で、自分の好きな曲をかけることも可能です。
◆Uberの場合は、ドライバーの所有する車に乗せてもらうわけですから、
ドライバー自身が好きな音楽を掛けていたり、好きなルームフレグランスを付けていることが多々あります。
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【違い④/駐停車位置の問題】
◆ 【その1:基本操作編】 でも触れましたが、現在のWaymoは、現在地・目的地の目の前に必ずしも停まれるサービスではありません。
徒歩数分の近隣の「Waymoが停まりやすい場所」をアプリから指定され、その場所で乗り降りする必要があります。
この点がUberとの大きな違いです。
◆また、Waymoの自動運転では、歩道にうまく寄せて停まれるケースもあれば、道路上での一時停止のような状態でドアが開くケースもあり、自分の乗るべき車を見つけたらササっと乗り降りしなければならないことが多々あります。
◆各乗車地点には2~5分程度の停車可能な制限時間が定められており、その時間内に乗車する必要があります。
※制限時間は、アプリに表示されています。
◆この駐停車の問題が、荷物が多い日、大雨の日などには、筆者ならばWaymoよりもUberを選びたくなる大きな理由です。
なお、アリゾナではフェニックス・スカイハーバー空港からフェニックスおよび周辺都市への行き来にWaymoを利用することができます。
Uber、Lyft、Waymoに同じ乗降スペースを割り当てられており、ひっきりなしに自動車がやって来る中、安全に停車して発進していくWaymoの技術力には目を見張るものがあります。
Waymoでもトランクの利用が可能です。アプリにトランクを開けるボタンがあります。大きなスーツケースなどを持っている場合には、ご自身で上げ下ろしがスムーズにできるかをご判断のうえWaymoをご利用ください。
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以上、Waymo Oneを乗り回りしてみて分かったことの一部を全4回に分けてご紹介してきました。
自動運転タクシーの運行実態にご関心のあった方、渡米の際、Waymoを試してみたいと思っていた方のご参考になれば幸いです。
現地では「夜に女性1人で使うなら、Waymoが安心」といった声も聞かれました。「無人」であることの安心感が発揮されたユースケースと言えそうです。
米国の都市部で実用化のかたちが見えてきた自動運転タクシー(ロボットタクシー)。普及に向けたこれからの動向にも注目していきたいと思います。
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※1 Waymo “Waymo and Uber expand partnership to bring autonomous ride-hailing to Austin and Atlanta”, Sep. 13, 2024
※2 Uber “Uber and Cruise to Deploy Autonomous Vehicles on the Uber Platform”, August 22, 2024
※3 Wayve “Wayve and Uber Partner to Accelerate the Future of Automated Driving”, August 29, 2024
※4 価格を比較した手順は、
・Step1/Waymo Oneで配車予約を完了する
・Step2/直後に、現在地(乗車地点)~同じ目的地(降車地点)でUberの運賃を検索